概要 |
- 建御名方命(タケミナカタノミコト)について・神長官守矢氏が物部守屋の子孫であるか
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質問内容 |
- 建御名方命(タケミナカタノミコト)の別名・また、周防(スオウ)の国を支配していたという話について記載されている本があれば教えて欲しい。また、神長守矢氏が物部守屋の子孫であるという話についても記載されている本があれば教えて欲しい。
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回答 |
- 建御名方命の別名とされる御穂須須美命(ミホススミノミコト)について、御穂須須美命の名は『出雲風土記』に見え、所造天下大神命(アメノシタツクラシシオオカミ)(大国主命の別名)と奴奈宜波比売(ヌナガハヒメ)の間に生まれた神とされる。また、『先代旧事本紀 巻四』には、大己貴命(オオナムチノミコト)(大国主命の別名)が高志の国の沼河姫(ヌナカハヒメ)を娶って建御名方命を生んだという記事がある。この二つの伝承から、建御名方命と御穂須須美命は同一神と考えられているようである。そのためか、新潟県などの諏訪神社では、祭神を建御名方命ではなく御穂須須美命としている神社もあるようだ、との回答をした。
- 建御名方命の周防国の支配については、今井野菊著『神々の里 古代諏訪物物語』に記述があったが、出典がわからなかった。『諏訪市史 上巻』(p822)によると、金沢省三郎著『日鮮同祖論』や、賀茂真淵の研究に由来がありそうだったが、当館・近隣図書館に所蔵がなかったため、確認することができなかった。なお、確実に記載があるのかは定かではないが、依頼者の住所の近くにある名古屋市立鶴舞図書館に、『日鮮同祖論』が所蔵されていたので、そちらをご覧いただくのはどうかと提案させていただいた。
- 守矢氏が物部守屋の子孫であるという話については、守矢氏口伝の中にある話。『諏訪史料叢書 復刻 第4巻』P44、『定本柳田國男集(第26巻)』所収「神いくさ」P232~233に記載があったので、複写して送付した。
- 諏訪地方では「建御名方神(タケミナカタノカミ)」の呼び名が一般的である。
回答日:2013年(平成25年)10月30日
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